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恋の病

ツィッターの「リヴァエレでキス22箇所企画」に参加させていただいた小説です。

お題は背中(確認)

これは字書きと絵描きさんでコラボするものなのですが、Pixivの方ではももさんにイメージイラスト描いてもらっています。
よろしければそちらもどうぞ! → Pixiv小説



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恋の病





一つだけ気になることがあるんだ……

オレは確かに恋愛未経験だし、こんなにも一人の人間に対してうれしくなったり、時には落ち込んだりすることも初めてだ。
そもそもオレの初恋の相手は、上司だし、かなり年上だし、しかも男だ―――
絶対に当てはまらないと思われる3条件をクリアなんてすることなどできない。
いくら背伸びして巨人化の訓練をがんばってもあの人からは恋愛対象として見てもらえるなど一生かけても無理な気がする。
それでも想いは溢れ出して止めることなどできない。
あの人に声をかけられるだけで、顔が真っ赤になってしまう。
はずみで触れられるとまるで火を噴くように体温が上昇する。
さすがに挙動不審な目で見られる始末だ。
このまま怪しまれるくらいならとオレは無知な若者の勢いで思い切って「好きです」と告白をしてみた。

青天の霹靂って難しい言葉はアルミンが言っていた気がする。

意味はよく理解できなかったけど、まぁそんな感じだ。
オレの無鉄砲な告白はあの人にすんなりと受け入れられ、公にはできないものの晴れて恋人同士となることができた。
信じられないことばかりでまるで夢を見ているのではないかという毎日を過ごしていた。
しかし、それと同時にオレの体に現れたあるモノに悩まされていた。



「はぁっ……」
「どうしたの?エレン、溜息なんかついちゃって。」

リヴァイが会議で調査兵団本部に呼ばれ、一緒についてきたエレンを訓練に誘ってくれたアルミンが心配そうに声をかけてきた。

「いや……最近少し眠れてないだけだ。」
「え、そうなの?じゃぁ今日の立体機動の訓練は結構ハードみたいだからあんまり無理しない方がいいよ。」

そう、最近のエレンは寝不足気味だ。
夜になるとリヴァイ兵長のことばかり考えてしまう。人を好きになると、たとえ両想いになったとしても悩みがつきないということを初めて知った。
最初は傍にいてくれるだけでいいと思っていたのが、リヴァイが受け入れてくれることでどんどん欲が出てきてしまう。
それは巨人に心を喰われてしまったときと酷似してきた。
そしてその度に体のとある箇所がなぜか熱く疼き出す。
原因もわからないまま、リヴァイに話すこともできずにいたのだ。

「エレン……あのチビにコキ使われていて疲れているんじゃないの?」

ミカサの目が鋭く光った。
ミカサは最初からリヴァイのことがあまり好きではないようだ。
エレンがリヴァイ兵長とともに旧調査兵団本部に拠点を移すと決まったときも、最後まで心配をしていた。

「ミカサ、兵長のことをチビとか言うな。誰かに聞かれたらどうするんだ。」
「そんなの、どうでもいい。私はエレンが心配なだけ。」

ミカサはオレの手を引っ張って自分の方に向けさせてから、額に手を当てた。

「やっぱり……少し熱が高い。」
「え―――?」
「さすがミカサだね。エレンの体調がちょっとでもおかしいとすぐにわかるんだから。」
「無理なんかさせられない。エレン、寝ていた方がいい。」
「こんなのすぐに下がるって。別に寝るほどじゃ……」
「ダメだよエレン。風邪はこじらすと後が大変だよ。いまのうちに治しておいた方がいいよ。」

こういうときのミカサは強引だ。エレンの手をグイグイと引っ張り、逆方向に歩き出した。

「アルミン、私はエレンの看病をしているから。訓練は休むって伝えておいて。」
「うん、わかった。エレンのことは任せたよ、ミカサ。」
「お、おいっミカサ!アルミン!」

エレンの叫びは虚しく響きわたる。にこやかに手を振るアルミンに見送られながら、エレンはミカサに連れられてしまう。
ズルズルと部屋に戻され、無理矢理ベッドに寝かされてしまった。

「いま薬もらってくる。エレンはおとなしく寝てて。」

ミカサは淡々と言って部屋を出ていってしまう。
ポツンと残されたエレンは緊張の糸がプッツリと切れてしまったのか、さらに熱がグンと上がったような気がした。

『オレやっぱり具合悪かったの……か?もしかしてあれも熱のせい……?』

フッと意識が遠のいていく。エレンはそのままベッドに身を沈めていった。


額にヒヤリと冷たいモノが乗せられるのを感じ、エレンはゆっくりと瞼を閉じた。
視界がおぼろげだが誰かが自分のことを覗き込んでいるのがわかった。

「………ミカサ?」

思わずその名を口にすると、なぜかチッという不機嫌そうに舌打ちをする音が聞こえてきた。

「俺があの女に見えるのか?」
「え?あっ、あの…リヴァイ兵長??」

しまったとエレンは内心動揺した。
ミカサがリヴァイの話をすると、嫌そうな顔をするのと同じく、リヴァイもエレンがミカサのことを口にすると急に不機嫌になる。
エレンはなぜ二人が犬猿の仲なのか、その理由がわからないでいた。
リヴァイははぁっとあきれたような長い溜息をついた。

「ミカサは俺の命令で訓練に戻した。」
「そうですか……」

リヴァイがエレンの額に手を当てる。
ヒヤリとしたリヴァイの手の感覚が火照ったエレンの体に心地よく浸透してきた。

「まだ完全に熱が下がってないみてぇだしな……」
「すみません……最近ちょっと寝不足だったので。」

するとリヴァイの眉がピクリと動く。

「眠れねぇってのは悩みごとか?」
「えぇ……まぁ……」

エレンは言葉を濁しながらいかにも歯切れの悪い回答をしてしまった。
悩みごとの原因であるリヴァイに、直接言ってもいいものかどうか迷っていた。
どうやらそんなエレンの態度が気に入らなかったらしく、リヴァイはイラっとした空気を身に纏っていた。

「てめぇ……いまさらこの俺に隠し事するとはいい度胸だな。」
「い、いえ。別にそんなつもりでは……!」
「だったらサッサと言いやがれ、ガキ。どうせくだらねぇことでウジウジしているんだろうが。てめぇの負の感情は巨人化に影響を及ぼすってことをいまさら言わせるんじゃねぇよ。」

迷いや悲しみなど負の感情を抱いたまま巨人化すると、意識を乗っ取られてしまうのはこれまでの実験で実証済だ。
寝不足になってしまうほど気になるのであれば素直に聞いてみればいいことなのだが、リヴァイに呆れられてしまうのではないかという不安が阻んでいたのだ。

「……言っても嫌いませんか?」
「物によるな。」
「うっ……だったらやっぱりやめてっ………!」

エレンの言葉は最後まで伝えられることはできなかった。
なぜならリヴァイがすべて呑み込んでしまったのだ。エレンの唇を塞ぐという形で……
温かくて、蕩けるような甘さがエレンの中になだれこんでくる。
ただでさえ高い体温がさらに上昇していくのを感じたが、リヴァイの唇が余韻を残しながらもすぐに離れていった。

「いいから話せ。聞いてやるから……」

熱い吐息混じりの低い声がエレンのすぐ耳元で囁かれる。
さっきまでの威圧感はなく、言葉の一つ一つに滅多に表に出さないリヴァイの優しさを感じた。

「あの……オレ、誰かと付き合うなんてリヴァイ兵長が初めてで、わからないことだらけなのですが……」
「そんなもん、始めからわかっていることじゃねーか。」
「オレ、気がついたら背中が熱いときがあって。何だろうと思ってこの前鏡を見たらそこが赤く腫れているように見えたんです。もしかしたら何かの病気になってしまったのではないかと………」
「…………は?」

リヴァイは一瞬だけ目を丸くする。エレンは慌てふためいた。

『や、やっぱりオレ、変なこと言っちゃったかも………』

何とか取り繕おうとするのだがうまい言葉が浮かんでこない。
エレンは思わず目をギュっと瞑ると、小さくプっと噴出すような声が聞こえる。
恐る恐る瞼を開けると、リヴァイがどことなく笑いをこらえているように見える。
そういえば、いつも厳しい顔ばかりしていたリヴァイのいろんな表情を見るようになったのはこうして付き合い出してからだなということをエレンは思い出した。

「リヴァイ兵長………」
「お前が気にしていたのはそのことか?」
「だ、だって背中は自分からじゃ確認できなくて……原因がよくわからないから誰かに相談するのも憚れるし……やっぱり一度ハンジさんに診てもらった方がいいんでしょうか?」
「ハンジ……だと?」

リヴァイを取り巻く空気が一瞬にして凍りついた。
巨人化する人間であるエレンの体は定期的にハンジに診てもらっている。
巨人の生態の研究をしているハンジが適任ということでエルヴィンから言われているからだ。
しかし、いままで見る限りハンジとリヴァイの相性はどうもよくないらしい。
うっかり口を滑らせてしまったとエレンは後悔した。

「あのクソメガネに診せる必要はまったくない。」
「え―――?あ、あのちょっ………うわっ!!」

するとリヴァイは隙を見てエレンが上半身に着ている衣服を強引に剥ぎ、ベッドにうつぶせにさせた。
ギシっとベッドの軋む音がするとリヴァイがエレンの上に覆い被さってくる。

「あ、あのリヴァイ兵長何を――――っ!?」

露わになったエレンの背中を見下ろすリヴァイが不敵に微笑むように見えた。
リヴァイが伸ばした人差し指の指先がエレンの背中、ちょうど肩甲骨の間のあたりに触れた。

「あっ――――!」

リヴァイの指が触れた箇所に火が点いたかのように熱く疼き出す。
エレンは思わず女のような声を上げてしまった。
そう、リヴァイが触れているのはエレンがまさに気にしていた場所だった。
たまらず逃げようと身を捩るが、熱で体のだるさがまだ取れないこともあり、いとも簡単にリヴァイに抑えつけられてしまう。

「やっ……兵長、やめっ――――」
「まだ気づいてなかったのか?」
「え――?」
「これは俺がつけたものだ。こういう風にな……」

リヴァイが身を屈める。まだ熱が引かないその場所……エレンの背中に、今度は柔らかくて蕩けそうな熱が触れる。
エレンの背筋に痺れるような電流が駆け抜け、ビクンと全身を震わせた。

「あぁっ…………!」

甘い声を漏らしながらエレンの頭の中で光が弾ける。

『そうだ思い出した―――』

リヴァイと付き合うようになってから毎晩一つのベッドで眠るようになったエレン。
唇を重ね、互いの肌にふれあいながら眠りにつく――そんな日々が続いていた。
エレンが眠りについてから時々感じていた背中に点る小さな熱――夢だとずっと思っていたのだが……

『まさか……リヴァイ兵長が?』

舌で舐め回された後、キツク吸い上げられる。エレンは甘い叫びを上げながらシーツを掴んだ。
リヴァイはエレンの髪を優しく撫でながら、耳にふぅっと息を吹きかける。

「俺がどうしてこんなことをしているかわかるか?」
「――わかってたらこんなに悩みません。」

リヴァイがフッと柔らかな笑みを零しながら、そうだなと小さく呟いた。

「お前が俺のものだという証を確かめながら刻み続けている。ずっと、消えないように……」
「リヴァイ兵長……?」
「エレン―――お前は俺のものだ。心も、体も、すべてだ……」

一方通行な恋だと思っていた。
偶然とはいえ、エレンがリヴァイにとって監視の対象。
万が一のことがあれば自分はこの人に殺されるのだ。
それでも溢れる想いは止められなくなっていた。年齢の差だとか、男だからとかという悩みは正直どうでもよくなっていった。
リヴァイはそんなエレンの気持ちを受け入れてくれた。最初は同情なのかと疑いもしたが、触れる唇がとても優しいのに扇情的で、エレンを甘く染めていった。
エレンの背中についた赤い痕……あれはリヴァイの愛の証だったのだ。
やっとエレンは悩ませていた謎の紐が解けると、今後は羞恥心が沸き起こってきてエレンは真っ赤な顔を腕で覆い隠した。

「リヴァイ兵長……オレ、やっぱり病気かもしれません。」
「ほぅ……一体何の病気だ?」

リヴァイはエレンの腕掴み、熟れた林檎のように真っ赤に染め上がった顔を曝け出す。

「兵長のことがどんどん好きになって止められません。ずっと傍にいてほしいし、誰かと仲良さそうにしているのを見るだけでもやもやしてしまう。」

話していくうちに目からポロポロと涙が零れ落ちてきた。

「もっとリヴァイ兵長に触れてほしい。兵長の熱でオレが溶けてしまえたら一緒にいられるのにって……こんな馬鹿なことばかり考えてしまうオレってやっぱり病気ですよね?」

あぁ……ついに胸に閉じ込めていたすべてを言葉にしてリヴァイに伝えてしまった。
それでもなぜかリヴァイに嫌われないだろうという自信がどことなく片隅にあった。

「お前、本当に熱があってよかったな……」
「え?」
「熱がなければこのままお前を抱いてしまいそうだ。ったく、ガキには初めてだろうとずっと自制していたんだが……」
「えっと……それって……」
「お前の準備ができてもいねぇのに年甲斐もなく襲うことなんができねぇだろうが……」

そういうことだったのか――リヴァイはエレンのことを思って毎晩触れ合いながらも最後まではしなかったのだ。
エレンはリヴァイの気づかいにうれしさを感じつつも、そこまで子ども扱いはされたくないという苛立ちも感じていた。
わざとムッとした表情をしながらエレンはリヴァイに噛みつくようなキスをした。

「いつまでも子ども扱いはゴメンです。オレだってリヴァイ兵長のことが欲しくてずっと言えずにいたんですから。」
「そうか?背中にキスしたくらいであんなに敏感に反応していた奴が、その先に行ったら大変なことになるぞ?」

リヴァイはエレンをからかうのが楽しいようだ。
エレンの背中にあるリヴァイがつけたキスの痕がドクンと疼いた。

「オレは……リヴァイ兵長のことが全部欲しいんです。」

ようやくエレンから満足のいく回答を得たのか、リヴァイが満足げな表情をした。

「エレン、お前のその病気は一生治らねぇよ。大人しく俺にずっと捕らわれていろ……」
「兵長も……ずっとオレのことだけ見ていてくださいね。オレ、結構嫉妬深いですから。」
「―――上等だ。」

二人は同時にクスリと微笑んだ。
背中の熱は一生治まることはないのかもしれない――
エレンの胸の鼓動が高く鳴り響くのを耳にしながら、そっと目を閉じた―――




テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

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