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上司兼恋人とファーストフードに行ってみた

某「月○バーガー」の時期にTwitterのフォロワさんと盛り上がってプライベッターにあげたお話。
タイトルどおりリーマン設定です。




上司兼恋人とファーストフードに行ってみた



 目まぐるしい忙しさも愛しい人といれば全然苦にはならないというのは誰に言葉だっただろうか。
 幸運にもオレはいままさにその経験をさせてもらっていた。


「すっかり遅くなっちまったな……」

猛暑の夏が過ぎ、ようやく秋めいてきたこの頃は傘を手放せない日はない。
リヴァイさんはビルを出たところで、灰色に濁った空から降ってくる雨を見上げながらぼやいた。

「トロスト商事との会議の時間まであとちょうど一時間ですね。ここからだと三十分はかかります。」

オレはすぐにスマホのナビで検索し、リヴァイさんに伝える。リヴァイさんは仕方ねぇなと言いながら駅までの道のりを足早に歩きはじめた。

「昼メシの時間もとっくに過ぎちまったな、エレン。腹が減ったろ?」
「い、いえ!昼くらい抜いたって全然平気です。」

正直、今朝も寝坊して朝メシを抜いてきたせいもあって腹が減って仕方がない。だが、大事な取引先との会議で遅刻するわけにもいかないし、何といってもリヴァイさんの顔に泥を塗るわけにはいかない。
社会人としてそれくらい!という意気込みで返答したのだが、なぜかリヴァイさんは険しい顔でオレの頭を小突いた。

「変なところで強がってんじゃねぇよ。次の会議ではお前がプレゼンするんだ。空腹だと頭の回転も鈍くなる。」
「す、すみません……」
「どこか簡単に済ませる店があればいいんだが……」
「そ、そうですね……」


リヴァイさんにつられて周囲を見回すオレの視界に、季節限定の「お月見バーガー」の看板がドンっと掲げられたファーストフード店が目に入って思わず間抜けな声を上げてしまった。

「どうした?あの店がいいのか?」
「で、でもリヴァイ部長、ファーストフード店に入ったことなんてないんじゃ……」
「まぁそうだな。だがあそこなら短時間でメシが食えるだろう?探している暇も惜しい、行くぞエレン。」

リヴァイさんはオレの手をグイグイ引っ張って店内に入る。カウンター席に座り、オレに注文してくるように行った。

「リヴァイ部長は何にします?」
「メニュー見ても俺にはよくわからねぇ。エレン、適当に買って来い。俺の好みはお前にならわかるだろ?」

リヴァイさんが口の端をニヤリと吊り上げてくる。最近見ない表情だったので不意を突かれたオレはほんのりと頬を赤く染めた。
オレとリヴァイさんは上司と部下という関係以上に恋人同士というのは最重要秘密事項だ。とはいえ最近二人とも忙しくて甘い時間を過ごしたことはないのだが……
 それでもリヴァイさんは仕事中にも構わずオレをからかってくるときがあるので、仕事にも恋にも余裕のないオレはいつも困らされてばかりだった。

「リヴァイ部長は甘くないものだったら大抵は大丈夫だったよな……」

結局リヴァイさんもオレと同じ、月見バーガーとポテト、飲み物のセットを注文した。

「意外に味は悪くねぇな……」

そもそも期待していなかったのはわかるが、想像よりはリヴァイさんの口に合っていたらしい。ホッと胸を撫で下ろすとともにフフフと声を出して笑うオレの顔を見てリヴァイさんはジッと覗きこんできた。

「え?な、なんです???」

ここはカウンター席の一番端っことはいえ、周囲は学生や親子がワイワイと賑わいながら食事をしている場所だ。それなのに息がかかるくらいの距離まで迫られて、オレは背筋をピンと伸ばして全身を強張らせた。
するとリヴァイさんの長い指が伸びてきてオレの口の端にツンと当ててきた。
 
「ここ」
「え?」
「ついてるぞ?ソース……」

ドクンドクンと胸の鼓動がうるさくて、一瞬何を言われたのか理解できなかった。

「あ、あぁぁありがとうございます。」

 指摘されて拭き取ろうと慌ててナプキンを取ったオレの手首をリヴァイさんが掴む。
そして一気に距離がゼロになる。虚を突かれたオレの口の端には温かくて柔らかなモノが触れた。

「…………」

頭が真っ白になる。ようやく全貌を理解したオレの頭のてっぺんから足のつま先までがまるでゆでたたこのように赤くなっていった。

「な、なななな何をしてるんですか!こんなところで!」
「何って、ついてたソースを取ってやっただけだが。」

さらにオレを煽るようにリヴァイさんはわざと舌をぺロリと出す。
どこも悪びれた様子もなくしれっと答えるリヴァイさん。誰かに目撃されたのではないかとあたりを見回したが、死角にもなる場所のせいか気づかれてはいないようだった。

「もう……オレをからかわないでくださいよ。心臓が持ちません……それに……」
「それに……何だ?」

周囲に誰もいないことを再度確認してから、今度はオレからリヴァイさんに顔を近づけた。

「リヴァイさんにこんなことされたら、いくらオレでもいい加減我慢できなくなります……」

前回セックスしたのはいつだっただろうか?と思い出すこともできないくらい忙しかった。
会社とはいえほぼ毎日近くにいて一緒に時間を共有しているのに、恋人として全然触れ合えないことにオレ自身限界を迎えていたのだ。
俯きながらモジモジさせるオレをよそにリヴァイさんはおもむろにスマホを取り出し、どこかに電話をかけているようだった。

「あぁ、エルドか。俺だ。これからトロスト商事との会議だがその後は特に予定は入っていなかったよな?俺とエレンは今日はそのまま直帰する予定だ。」

え?とオレはすぐさま顔を上げると、リヴァイさんは既に通話を切っていた。

「これからのプレゼン、うまく行ったら今夜はお前のことをたっぷり愛してやる。俺の部屋で、もちろん朝までな。」
「そんな急に…しかもご褒美的に言われても……」

 口をもごもごとさせてしまう。心の準備ができてないと言うのも変だろうか?動揺するオレをリヴァイさんは面白おかしく見つめていた。

「俺はそろそろお前を味わいたいんだがな……」
「ひ、人を食べ物みたいに言わないでください。それに言われなくてもプレゼンは成功させてみせますから御心配なく。」

フンと拗ねた顔で立ち上がろうとするオレの腕を掴まれ、リヴァイさんの方へ引き寄せられてしまった。
チュッと音を立てながら耳に熱い息を吹きかけてくる。これから大事なプレゼンを控えているオレの緊張をほぐしてくれようとしてるのだろうが、寧ろ逆効果もいいところだ。

「俺はお前の味が一番好きだ……早く食いつきたくて仕方ねぇんだよ……」

だから今夜は覚悟しておけよ?とリヴァイさんは言う。
人の気も知らないで。オレだってあなたのことが欲しくてたまらないのに……なんてことは決して言葉にはせず、オレはプーと頬を風船のように膨らませてもう時間がないとリヴァイさんを促した。


ドクンドクン―ーさらに心臓の音がうるさく、そして速くなっていく。


 
リヴァイさんに触れられたところが熱くて仕方ない。もっと触れてほしいのだと疼き出す。
浅ましくリヴァイさんを求める体を抑えられるほど、悔しいがオレはまだ恋の駆け引きというものに慣れていない。
そんなオレの葛藤を知ってか知らずか、横を歩リヴァイさんはフッと口元を綻ばせた。
 
きっかけはどうであれ、今夜が楽しみで仕方がない。
オレだってずっとリヴァイさんを味わいたかったのだから……

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