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美しき狂獣の檻-One year later-


オメガバースパロ「美しき狂獣の檻」の一年後のお話で、イベント限定の無料配布本でした。
本編未読の方は注意願います。

なお、「美しき狂獣の檻」は再販分がとらのあなに追納済、イベントでは夏コミ・夏インテで頒布します。

詳細は→コチラ


 オレの番であるリヴァイさんは最強のアルファだ。
 混沌とした世界の闇が渦巻くウォール・マリアの頂点に立つ絶対的存在、闇の王――記憶がなかったオレは目の前に現れたリヴァイさんに心も体も支配されていった。
 ついに見つけた、オレの番――
 リヴァイさんもオレを選んでくれた。番の証を刻んだことでリヴァイさんはオレだけのものになったはずなのに……
 オレの中のもう一人のオレ、獣化エレンもリヴァイさんに惹かれているのが嫌というほどわかる。オレとあいつは一つの体を共有してはいるけど、やはり別の存在なのだと時々自覚してしまう。
 そう、特にリヴァイさんのことに関しては――

*     *      *

「ん―――もう、朝……?」

 朝の光が差し込んで瞼がやけに明るい。昨晩、部屋のエアコンのスイッチを入れ忘れたせいで、空気が冷え込んでしまっているのを肌で感じたオレはブルリと身を震わせた。

「リヴァイさん……?」

 すぐ傍にあるはずの温もりを求めて手を彷徨わせるが、虚しくも空を切るだけ。どうやらリヴァイさんは先に目覚めてシャワーでも浴びているようだ。
 ベッドからゆっくりと体を起こしたオレは、何も纏わず素っ裸のままバスルームへ向かう。段々とシャワーの音が聞こえてきた。

「エレンか?」

 オレのフェロモンはやっと来るようになった発情期を過ぎても、リヴァイさんにだけは感じることができるらしい。だからどんなに気配を顰めたとしてもリヴァイさんには無駄な行為といえる。

「リヴァイさん、一緒に入ってもいいですか?」
「どうせそのつもりだったんだろう?ちょうど湯も張れたところだ、さっさと来い。」

 オレは胸を躍らせながら扉を開ける。
 どこもかしこも引き締まった筋肉、そして厚くて逞しい胸板――昨晩、自分はどれだけあの体を求めてやまなかったのだろうと考えると、顔はボッと火が点火されたかのように熱くなってきた。

「あれ―――?」
「どうした、エレン?」

 大きいと言われる瞳はある個所に釘付けになって離れない。リヴァイさんが怪訝そうな顔をして近づいてきた。

「リヴァイさん……その首筋、どうしたんですか?」

 オレは歯型のような痕がついたリヴァイさんの左の肩を指差す。リヴァイさんは何かを思い出したようだった。

「そういえば昨晩、思いっきり噛みつきやがったな……」

 リヴァイさんの体に触れていい相手なんてこの世界でオレだけしかいない。ましてや素肌に痕をつけることなど……そのオレに記憶がないということは――

「あいつ、ですね……?」

 オレの顔が不機嫌そうに曇る。リヴァイさんはふぅっと呆れたような溜息をついた。

「まだ、気にしているのか。どっちもお前だろう?」
「もちろん、わかってはいるつもりです。でも、オレの体の中は昨晩リヴァイさんに愛された感覚がいまも残っているのに、記憶にないところもあって、あいつはどんな風に愛されたのかと思うと、何かこう……どうしてもモヤモヤしてしまうんです。」
 オレと獣化エレンとの人格が入れ替わっているときの記憶だってもちろんある。でもオレはあえてセックスのときだけは意識を閉じてしまうのだ。
 正直、つまらないヤキモチだと言われればそれまでだ。反論しようがない。だが、番になって一年以上経ったいまでもこれだけはどうしても譲れないでいる。
 オレは望んで獣化エレンと一つになった。それを後悔しているわけではない。オレ一人だけだったらリヴァイさんに出会えることなく、とうに死んでしまっていただろう。
 これ以上拗ねている顔を見られたくなくて、心が葛藤したままソッポを向くオレをリヴァイさんが濡れた体で抱き締めてくれた。

「本当にお前はいつまで経ってもガキだな……」
「だって……オレには獣の耳や尻尾は生えていないし……それに、あいつの方がオレよりセックスが上手いかもしれない……」

 嫉妬の言葉をリヴァイさんにぶつけても仕方ないというのに……自分が情けなくなり、キュっと唇を噛みしめた。

「俺はどっちがどっちだとか特段区別なんてつけてねぇぞ?どちらも俺の愛する番だ。」
「リヴァイさん……」
「お前、獣化エレンのときはわざと見ないよう、感じないようにしているんだろ?」
「浮気現場目撃している心境になりそうだから……」

 最初の頃は入れ替わっているときの記憶はほとんどなかった。だけどリヴァイさんと出会って、失われていた過去の記憶を取り戻してからというもの獣化エレンになっているときも意識を共有できるようになったのだ。

「一度試してみたらどうだ?俺はどちらのエレンであってももちろん二人分いつでも愛しているつもりだからな。」

 まさかリヴァイさんがここまで言ってくれるとは思わず、不意打ちをくらったオレは体中に熟れた林檎のように真っ赤に染め上げた。
 番になってからというもの、リヴァイさんから注ぎ込まれる愛が半端なくて時々どうしていいのかわからなくなってしまう。

「だったら……」

 オレは両膝をつき、リヴァイさんの柔らかな芯を持った肉棒をリ両手で包み込んだ。

「あいつ、いつ出てくるかわからないけど……それでオレの不安がふっきれるというなら試してみたいです。」
「ほぅ……」

 リヴァイさんが口の端を吊り上げたのを確認したオレは、躊躇うことなくソレを口に含んだ。さっきまで体を綺麗にしていたせいもあってか石鹸の香りがするが、それに紛れて自分にしか感じることができない、リヴァイさんの雄の匂い――フェロモンに全身の血が沸騰した。

「っ……なかなか、上手くなってきたじゃねぇか……」

 声をくぐもらせるリヴァイさんの猛々しい熱の楔はすぐに反応し、オレ好みの固さ、大きさへと変わっていく。それだけ興奮が冷めやらず、下半身の奥から熱いモノがトロトロと中を伝っていくのがわかった。

『早くコレをオレの中に……グチャグチャにしてほしい……』

 発情期はこの前終わったばかりだというのに、それでも毎晩のようにリヴァイさんを求めてしまう。リヴァイさんは拒むことなく、オレを大きな温もりと包み込んでくれる。
 だからなのか――リヴァイさんに対する気持ちが出会った頃、そして番になったばかりの頃に比べてはるかに大きくなっている。
 想像はしたくないのだが、もしリヴァイさんがオレの前から消えてしまうようなことがあったらどうなってしまうのだろう――背筋に悪寒を走らせるオレの顔は強い力で上げられた。

「またグダグダと余計なこと考えてやがるな?エレン――」
「ごめんなさい――幸せすぎると、時々不安になってしまうんです。オレももっと強くならないといけないのに。」

 そうだ――何のためにあれほど呪った【幻のオメガ】の力を残したのか……

 オレはあなたを守りたい―――
 あなた以外何もいらない――
 邪魔をする奴は何者だろうとこの手で――

「どうした?エレン。」
「リヴァイさん、やっと思い出しました。オレがいまここにいる意味を――」
「自覚するのが遅せぇんだよ、お前は――」

 リヴァイさんの唇が重なる。リヴァイさんのキスは甘くてもっともっと欲しくなる。クチュクチュとお互いの舌を貪り合うだけで時間の経過も忘れてしまう。
 オレは壁に手をつき、リヴァイさんの方に大胆にもケツを突き出す。指で割れ目を広げて、リヴァイさんに奥をわざと晒す。入口からはトロトロと蜜が零れ出し、早くリヴァイさんが欲しくてヒクヒクとしていた。

「リヴァイさん……早く、挿れて。」
「まずは昨日のやつを掻き出してやるから待ってろ。」

 発情期中はゴムをつける必要もない。昨晩何度も中出しされたリヴァイさんの精液がオレの中に溜まってそのままになっている。まずはそれを出そうとするリヴァイさんの腕を、オレは掴んで阻んだ。

「いやです……このままでいいから……!お願いだから、せっかく呑み込んだリヴァイさんの液、出さないで……!」
「エレン、お前……ったく、仕方ねぇ奴だな……まぁ、解す必要もねぇからいいか……」

 涙を浮かべながら懇願するオレに、リヴァイさんはようやく折れてくれた。リヴァイさんの下半身の楔はもう完勃ちしていて腹のあたりまで反り返っている。それを見た瞬間、ドクンと左の胸が大きく鼓動した。

「はや、くぅ……リヴァイさんのソレでオレの中グチャグチャにしてください―――」
「イイ顔してるな、エレン――欲情に満ちた獣だ。」

 いま自分の顔はどんなに淫らな顔をしているのだろう。ちょうど鏡が反対側だったので内心安堵した。壁につく手に体の重心を置き、それが入ってくるのを体を小刻みに揺らしながら待ちわびた。
 ズン――
 リヴァイさんがオレの中に押し入ってくるこの瞬間は好きでたまらない。

「あぁっ、あっ、あぁぁぁ―――」

 リヴァイさんの圧倒的な存在感がオレを支配する。頭が真っ白になり、一瞬でイキそうになった。オレは絶頂の声を上げながら内部を引き絞る。前からは噴水のように白い欲望が勢いよく吹き出す。
 最奥まで一気に突き上げられ、奥をゴリゴリと擦られる。内壁の襞はリヴァイさんの楔の形をよくわかっているようで隙間なく呑み込んでいる。圧迫感は多少ある程度で、痛みなど最初からない。リヴァイさんの動きに合わせてオレは腰をユラユラと揺らし始めた。

「ハッ……本当に解す必要なかったな、エレンよ……」
「んんっ、……はぁっ……すごい、もっと奥きてぇ……」

 オレの腰が自然に動き、敏感に感じる部分を突けと強請り始める。リヴァイさんの腰が低くなり。深くて大きい動きへと変わってきた。
 グチュっ、グチュ――肌と肌がぶつかり合う音に紛れるこの水音は昨晩の愛の証によるものなのかどうかもわからない。だが確実にオレの耳を犯していく。
 好き、リヴァイさんのことが好き―――
 気持ちが溢れ出して止まらない。大きくなりすぎて破裂してしまいそうになるオレの意識に、あいつが呼びかけてきた。

『エレン―――』
「大丈夫だ――オレ、リヴァイさんのこと信じてるから。もうくだらないヤキモチなんか妬きたくない。」
『オレモ妬イテタ――』
「え……?」

 獣化エレンは尻尾の先を左右にブンブン振りながらオレに視線を合わせまいと彷徨わせている。オレはおかしくて思わず噴き出してしまった。

「ぷっ……あははははははっ」
『エレン?』
「ごめんごめん。オレ自分のことばかり考えてた……でももう大丈夫だ。エレン……」

 オレは獣化エレンに手を差し伸ばした。二人が一緒になったあのときと同じように――

「オレたち二人でこれからもリヴァイさんのことをいっぱい愛し、そして愛されよう――五百年の孤独を埋め尽くすほどに……」

 意識を浮上させたオレの体は獣の耳と尻尾を生やした黄金色の獣をした人の姿へと変わっていた。

「リヴァイ、リヴァイ……!」
「クソ可愛いな、エレン……俺だけのもんだ」

 リヴァイさんの目はいつもオレに向けてくれるものとやはり変わりはない。耳と尻尾も使って強請り続ける獣化エレンに応えるようにしてリヴァイさんは執拗に奥を突き上げてきた。

「フゥッ、ンンンッ――――アァ、アァッ……!」
「っ……たく、相変わらず絡みついて離さねぇな……ちっとは手加減しやがれ……」
「イヤッ……モット、欲シイ……リヴァイっ!」
「てめぇが欲しいのはココだろ?」

 最奥にある部分を先端で突かれ、グルグルと捏ね回される。そこから電流が頭のてっぺんや手足のつま先にまで伝わり、獣化エレンは絶頂を迎えた。

「アァァァァァっ―――」
「馬鹿っ……早ぇよ……イっちまうだろうが……」

 普段は余裕がないので見ることもなかったが、リヴァイさんの額に汗の粒が浮かんでいるのがわかる。あぁ、リヴァイさんも余裕がないのか――最強のアルファと言われるリヴァイさんのこんな表情を見ることができるのはオレだけなのかと思うと、うれしさが込み上げてきた。

「リヴァイ、好キ……ダカラモット、欲シイ……一緒ニ、イキタイ」

 獣化エレンが甘い叫びを上げると、リヴァイさんはすっかり熱を帯びた楔を引き抜き、体を向い合せにさせたオレの両足を抱える。持ち上げられた獣化エレンの身体は重力に従い体を沈ませ、再びリヴァイさんを内なる奥へと招き入れた。

「スゴイ……奥、当タル……深クテ……イイッ!」

 獣化エレンはリヴァイさんの背中に回した手に爪を立てる。力を入れすぎたのか、避けた皮膚から血が滲んできたがリヴァイさんはお構いなく下から突き上げ続けた。
 ここが風呂場でよかったと思う。ぶつかり合う度に結合部から蜜が噴き出す。互いの体はお互いの愛液で染められていた。

「くそっ……止まらねぇ……」
「止メナクテ…イイ……リヴァイ!」

 オレもイッてるときは好きという気持ちと求める体が自分のコントロールをかけ離れているから知らなかったけれど、リヴァイさんがこんなにも淫らな表情をするなんて初めて知った。これも閉ざしていた心の壁を取り払ったからこそわかったことだ。

「リヴァイッ……モウ……イクッ!……」
「あぁ、いいぞ。エレン……」
「イヤッ……今度ハ……一緒ガ、イイッ!」

 獣化エレンはリヴァイさんの肩口を噛んで、高まる快楽を堪えようとしている。それでも腰の動きを緩めないリヴァイさんは耳元に熱い吐息を吹きかけながら囁いた。

「安心しろ、俺も一緒にイッてやる。だから好きにイけ。」

 以前一緒にイクときにオレもチラリと見たことがある。このときのリヴァイさんの表情がオレは一番好きかもしれない――

 今回のことでオレと獣化エレンがこれまで以上に一つになった気がする。
 こんなにもリヴァイさんに愛されていたことに、一年以上もかけてわかるなんて、本当にオレはまだガキとしかいいようがない。
 でももう迷いはない。オレとあいつは二人で『エレン』であり、リヴァイさんを愛し、愛される番なのだから――

「で?もうつまらねぇヤキモチはやめたのか?エレン――」
「はい、あいつもオレですから。それに、普段見れないリヴァイさんの表情をたくさん見れてうれしかったです。」
「そうか……それはよかったな。」

 バスタブに背中を預け満足そうな笑みを薄く浮かべるリヴァイさんに、オレは甘えるようにして寄り添った。

「リヴァイさん、愛しています……」
「俺もだ、エレン……愛している……」

 唇を重ねるだけでまだ存在感の残る体の奥で新たに生まれた熱が疼き始める。リヴァイさんを求める想いは溢れ出したら止まらない。

「あの……途中で入れ替わってしまったんで、オレの方は物足りないんですけど……」

 オレはリヴァイさんの胸に顔を埋めながらおずおずと言い出す。
発情期でないとどうしても照れが出てしまう。オレを見下ろすリヴァイさんは一瞬だけ目を大きく見開いた後、口元を綻ばせた。


「あぁ……何度でも愛してやる。俺もお前に飢えた獣だからな。」

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