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流れ星に願う、あなたの幸せ

リヴァエレ前提にリヴァペトです。
アニメのペトラが可愛すぎるのと、オリジナルシーンがあまりに
悲しすぎて唐突に書いてしまいました。


流れ星に願う、あなたの幸せ


女だてらに調査兵団なんて――
それでも私は父の強引な反対を押し切って調査兵団に入団をした。
店を経営している父は一人娘の私に娘婿を取って継いでほしいと幼い頃から耳にたこができるほど言い続けていた。
両親のことを考えればそうするべきだし、結婚をして子どもを生んで育てるという女として普通の幸せを得ることができただろう。
でもあらかじめ決められた枠に収まるのが嫌いだった私は、壁外調査に向かう調査兵団にずっと憧れを抱いていたのだ。

そんな私の初めての壁外調査は散々なものだった。
どこからともなく突然現れた奇行種に襲われ、班員は次々と食われていく。
何の躊躇いもなく人を食らう巨人の脅威に、ただ茫然とするしかなかった。
一人残された役立たずな新兵である私を、班長は自らを犠牲にして逃がしてくれたのだった。
もう何も考えられない。憧れで調査兵団に入団したことを涙ながらに後悔する私の背中を巨人が追いかけてくる。
まだ馬の扱いに慣れていないこともあり、すぐさま追いつかれてしまうだろう。
この時初めて死というものを覚悟した私の脳裏に浮かんだのは両親の顔だった。

――お父さん、お母さん、ごめんなさい……

次の瞬間、巨人の絶叫が耳に響き思わず手で塞いだ。
馬の速度を緩めて振り向くと、私を追いかけていたはずの巨人がうなじを削がれ倒れていた。

「一体、何が起きたの………?」

状況がよく呑み込めない私の目の前で、空から舞い降りてきたのは羽ばたく自由の翼――
私は一瞬にしてその姿に目を奪われた。

「おいお前、大丈夫か。」
「あなたは……リヴァイ兵長……?」

それがリヴァイ兵長との初めての出会いだった。


*           *           *



「エレン、そっちが終わったら夕飯の準備を手伝ってくれない?」

ぺトラは一人で馬の世話をしていたエレンに声をかけた。
エレンはすぐさま立ち上がり、少し顔を綻ばせながら素直に返事をする。

「はい、わかりました。」

普段接しているだけでは、年相応の十五歳の少年だなと思う。
があの巨人に変身する能力さえなければ――
ペトラが精鋭班に選抜されたとき、やっとリヴァイの近くにいることができるという喜びとともに、少し複雑な感情も入り混じっていた。
この三年ばかりぺトラは心身ともに鍛え上げ、討伐数も補佐数も確実に伸ばしてきた。
その成果がリヴァイの目に留まったのだといっても過言ではないだろう。
逆にその三年間でぺトラは多くの仲間の死を看取ってきた。その度に、巨人に対する怒りというものは増すばかりだ。
だからこそ人間としての自我を保つことができるとはいえ、いまだ不安定なエレンに当初は不信感が募っていた。
しかし、この一カ月ばかり一緒に過ごすようになって、エレンの人間としてのひたむきさに触れることで誤解だったということがわかった。

「まずは野菜の皮を一通り剥いてくれる?私はスープの方を見てるから。」
「あの……ぺトラさん、今日は随分材料が多くないですか?それにこれ……肉じゃないですか!」

滅多に食卓にのぼることのない、肉を見たエレンは目を輝かせる。
ペトラはエレンの反応が楽しくて、思わずプッと噴出した。

「ふふふわかった?今日は特別にご馳走よ。腕によりをかけて作るから。」
「はい!楽しみです。」

エレンの顔がパッと明るくなる。
ここに来たばかりのときは緊張ばかりしていたのか、強張った表情ばかりしていたエレンも随分と打ち解けてくれた気がする。
そんな平和といえる日々も今日で終わり、いよいよ明日にはようやく住み慣れた旧調査兵団本部を離れて壁外調査へ向かうことになっている。
エレン・イェーガーという人類の味方をする巨人を引き連れての調査。
作戦の全貌はペトラにさえ知らされていないが、恐らくこれまでにない大胆かつ大規模な作戦になるということをその身にひしひしと感じていた。
だからこそ今晩は皆と少しでも楽しく過ごすことができればと思い、こうしてご馳走を作ることにした。それはこの中でペトラだけができることだった。

「そういえばエレンは訓練兵の頃から調査兵団を希望していたって聞いたけど、何か理由があるの?」
「小さい頃から調査兵団に憧れていたんです。いつか壁の外の世界を見てみたい……そのためには危険でも巨人を倒す任務を背負う調査兵になりたいって、ずっと思っていたんです。」
「あら、エレンと私って動機が似てるのね。」
「え、ペトラさんもそうなんですか?」

意外だという顔をするエレンに対し、ペトラはコクリと頷いた。

「でもね、憧れだけでは通用しないって、初めての壁外調査で嫌ってほど思い知らされたわ……そして、そのとき巨人に殺されそうになった私をリヴァイ兵長が助けてくれたの。」
「―――リヴァイ兵長に?」
「そう……私がここまでやってこれたのは全部リヴァイ兵長のおかげだと思ってる。あの人の傍で一緒に戦うことを目標にがんばってこれたから……」
「……ペトラさん……もしかしてリヴァイ兵長のこと………」

さっきから包丁を持つ手が止まりっぱなしのエレンが頬をほんのりと赤く染めながら俯く。
その瞳は申し訳なさそうな複雑な光を浮かべていた。
ペトラはわざと大きな溜息をついてから、エレンの額を思いっきりデコピンすると威勢のいい音がした。

「いってぇ……!ペ、ペトラさん何を―――!?」
「ちょっと、なーーにいっちょまえに落ち込んでるの?誤解しないでくれる?私にとってリヴァイ兵長はずっと尊敬している方なのよ。」
「え……そ、そうなんですか?」
「大体、この調査兵団の中でリヴァイ兵長に憧れない人なんて誰一人いやしないんだから。エレンだってそうなんじゃないの?」
「はい……そうです。」

今度は耳まで赤くなっていくのが目に見えてわかる。隠し事のできない純粋な子なんだなとペトラは内心クスリと笑った。

『だからこそ、リヴァイ兵長はエレンを選んだのかな……』

ペトラの胸にチクリと針で突かれたような痛みが走る。
リヴァイ班の他のメンバーは気づいていないかもしれないが、旧調査兵団本部に拠点を移したこの一か月、リヴァイとエレンの関係が少しずつ変化してきた。
リヴァイは自分にも他人にも厳しいところはあるものの、情に厚く仲間のことを大切に思っていてくれる。
その反面、他人には滅多に心を開かない。
リヴァイを調査兵団に引き入れたという団長のエルヴィンでさえも、どちらかというと固い信頼関係が二人の間に築かれているといえる。
そんなリヴァイがエレンだけは、監視という表向きの名目がるとはいえ常に傍にいることをエルヴィンからの命令ではなく自分から許したのだ。
それはペトラにとって少なからずショックを感じるものであった。
異性への憧れというものは恋心と似て非なるものである。リヴァイの背中を追いかけて努力していくうちにいつのまにか恋をしていた。
しかし、そんなペトラをあっさりと追い抜いてしまったのがエレンだった。
だが意外に悔しいという気持ちはこれっぽっちも沸くことはなく、寧ろ安心してしまった。
人類最強と呼ばれ、仲間の死とともに夢や願いを背負うリヴァイに心許せる存在ができたのだ。たとえそれが自分でなくとも、ペトラにとっては嬉しいことだった。

「ねぇ、エレン。リヴァイ兵長のこと好き?」
「え―――い、いきなり何を言い出すんですか?ペトラさん!」

あからさまに動揺するエレンは持っていた皮剥きかけの野菜を落っことしそうになる。
そんなことはお構いなしに、ペトラはエレンへと詰め寄った。

「リヴァイ兵長のこと好きか嫌いか、正直に答えて。エレン――」
「ペトラさん―――」
ペトラの真っ直ぐな瞳に捕えられたエレンはそれまで動揺していた心をようやく落ち着かせるように胸に手をあて、ふぅっと大きく息を吸い込んでからコクリと小さく頷いた。

「そう――よかった……ありがとう、エレン。」
「ペトラさん……どうしてそんなことをオレに聞くんですか?」
「エレン。あなたのことは絶対に私たちが守るから……だから、エレンも私たちを信頼して。あまり巨人の力を頼らないでほしいの。」
「ペトラさん……」

ペトラはエレンの両肩にそっと手を乗せる。
思春期の少年の肩は、思いのほかがっしりしていた。この肩に、全人類の希望が重くのしかかっている。
エレンにとってプレッシャーにならないよう、ペトラは少しでも軽くしてあげたいと思っていた。

「あなたは人間なのよ………わかった?」
「――――はい。ありがとうございます、ペトラさん……」

エレンの瞳が大きく揺らいで潤み始める。ペトラはそれ以上何も言うことなく、いまにも泣き出しそうなエレンをそっと抱きしめた。


*           *           *


その日の夕飯はペトラの作った御馳走もあり、オルオやグンタたちがいつもより羽目を外してしまうほど盛り上がった。
エレンが心から喜んでいる表情をしているのをペトラはホッと胸を撫で下ろす。
チラっとリヴァイの方を伺ってみると、特にオルオたちを注意することもなく変わらぬ様子で黙々と食事をしていた。

「え……いいの?エレン。」
「はい、後はオレがやっておくのでペトラさんは休んでください。」
「じゃぁ……お言葉に甘えてお願いするわね。」
「任せてください。」

エレンが後片付けをやると申し出たのは、ペトラに気を遣ってのことだろう。無碍に断る理由もないペトラはエレンに託し、部屋に戻ろうとしたペトラは廊下の窓から見える夜空の景色に目を奪われ、建物の最上階まで上がってしばらく眺めることにした。

「うわぁ……綺麗…………」

頭上に広がる星々の海が降り注いでくるようだ。
街から離れた郊外にある旧調査兵団本部に来て一か月。
エレンの巨人化実験や訓練の日々で慌ただしく、こうしてゆっくり夜空を見上げることなどただの一度もなかった。

「あ……流れ星!」

そういえば星が流れている間に願い事を言うと叶うと、幼い頃父親から教えられた。
そのときは「調査兵団に入れますように!」と願ってばかりで、父親は複雑そうな苦笑いを浮かべていたのを思い出す。
ペトラは胸ポケットから一通の手紙を取り出した。
最近父親からは相手を見つけてきたから見合いをしろと口うるさく言われている。
この手紙も次の壁外調査が終わったら調査兵団をやめて結婚の準備をしろという催促の内容だった。
年頃の一人娘にそろそろ腰を落ち着かせてもらいたい親の心情は痛いほどわかる。
しかし、ペトラは頑なに拒否し続けてきたのだ。
ペトラがリヴァイのことを好きかと聞いたときのエレンの表情が思い浮かぶ。
エレンのリヴァイに対する好きという気もちが、単なる憧れや尊敬からによるものでないこともペトラには痛いほどよくわかった。

「こういときって勘が鋭い自分が嫌になっちゃうな……もぅ……」

胸がじわっと熱くなるとともに視界が滲み始めたペトラの背後に、誰かが近づいてくる気配がした。

「ペトラ、こんなところで何をしている?」

声の主がリヴァイだとわかり、ペトラの口から心臓が思わず飛び出しそうになった。

「リ……リヴァイ兵長!どうしてここに?」
「偶然、最上階に上がる姿を見かけたからな。」
「あ、すみません。ただ星が綺麗だったんで、もっと近くで見てみたいと思っただけなんです。」
「星?あぁ……なるほどな……」

リヴァイもつられて夜空を見上げる。
まるで広い世界に自分とリヴァイの二人きりしかいないみたいだ。
星と月の光で照らしだされるリヴァイの姿がどことなく幻想的で、ペトラの胸はさっきからざわめきが止まらない。
おまけに体温の熱が一気に上昇してきた。耳まで真っ赤になっているのはあまりリヴァイには気づかれたくなかったのだが……

「ペトラ?どうした、顔が赤いぞ。」
「え――?えっと、それは………」
「熱でもあるのか?ここにいたら具合が悪くなる一方だぞ。今日はもう休んだ方がいい。」

建物の中に連れていこうとリヴァイがペトラの手を取る。
別に触れられたのは初めてではないのに、恥ずかしさでいっぱいで心臓が壊れそうになったペトラはたまらず手を振り払ってしまった。

「ち、違うんです。リヴァイ兵長!」

二人の間にヒラヒラと舞い落ちるのはさっきまでペトラが読んでいた父からの手紙。
固まって動けないペトラの代わりにリヴァイが手紙を拾う。

「これは………父親からか……」
「あ―――」

誰にも相談したこともなかったのに、よりによって一番見られたくない人に見られてしまうなんて――ペトラは自分の迂闊さを呪った。

「すまない。拾うときに中身が見えてしまった。」
「別に、大したこと書いてありませんから……」
「そうか?娘を大切に思う父親なら当然だと思うが……」
「リヴァイ兵長………」
「調査兵団に留まるのも去るのも個人の意思は自由だ。主力を失うのは惜しいがな……」
「え―――?」

やっと抑えたつもりだったのに、一気に涙腺が崩壊し始める。
これまでの必死の努力が報われてようやくリヴァイに認められた―――ペトラの胸は嬉しさでいっぱいに溢れ始める。

ペトラの頬に流れ落ちる涙を、リヴァイの長い指がそっと拭う。
触れた部分が熱くて火傷しそうだ。

「ペトラ?どうかしたのか?」
「―――うれしいんです。私はリヴァイ兵長の役に立ちたくて、これまでがんばってきましたから……」
「ペトラ……お前の補佐のおかげで俺も十分に戦ってこれた。助かっている。」
「ありがとうございます。リヴァイ兵長……だからこれからもよろしくお願いします。」
「父親のことはいいのか?」
「だってリヴァイ兵長言ったじゃないですか?留まるのも去るもの自由だって……巨人を全滅させる。それが叶うまで戦い続けます。」
「そうか―――」

リヴァイの口元がフッと微かに綻ぶのを見たペトラの全身に、甘い電流が駆け抜けていった。

――もうダメ、抑え切らない!

これまであまり縁がなかったとはいえ、ペトラも一人前の成熟した女性だ。
好きな異性に想いを伝えたい衝動に駆られるのをずっと我慢してきたのだが、偶然ともいえる二人きりの状況に、ペトラが胸に締まっていた感情が突如と沸き出してきた。
想いが届かないのはわかっている。それでもこの気持ちを伝えて決着をつけよう――ペトラはすぅっと深呼吸をしてからリヴァイをジッと見つめた。

「リヴァイ兵長……私、リヴァイ兵長のことがずっと好きでした。」
「ペトラ………」
「兵長が私に……というより、誰にもそういった感情を抱かないのは知っています―――ただ一人、エレンを除いては。」

いつも表情を崩さないリヴァイの眉がピクリと動く。少なからず動揺しているのだろう。これがハンジだったらリヴァイの反応を見て面白おかしくからかうのが目に浮かんだ。
そう、別にこの想いが叶わなくたって構わない――これから先、リヴァイがエレンとともに幸せでいてくれるのなら……ペトラは最初で最後のお願いをリヴァイにぶつけてみることにした。

「だからこの気持ちに決着をつけるために……キスしてもいいですか?」

一瞬だけ、リヴァイの目が大きく見開かれた。
しばしの間流れる沈黙の刻……頭上に浮かぶ星々だけが二人を見守っていた。
恥ずかしさと緊張でペトラの心臓の鼓動は壊れそうなほどに高まって限界を迎えようとしている。
ようやくリヴァイが静かに口を開いた。

「あぁ………」

ペトラはゆっくりと、リヴァイとの距離を近づけていった。
思い切って大胆な申し出をしたというのに了承された途端、恥ずかしさで全身の血が沸騰していくのだが、それ以上に愛しいという気持ちがペトラを追い立てていく。
引き寄せられるようにしてペトラの唇に触れたのは意外にも柔らかかったリヴァイの感触。
時には冷酷なまでに巨人を殺す人類最強の強さを備えたリヴァイの人としての温かさに、ペトラの緊張はやがて甘い痺れへと変化していく。
同時にうれしさで胸がいっぱいになったペトラの頬を再び涙が伝った。

「おい、また泣いているのか……」
「すみません……」

さっきのエレンの時とは逆の立場になってしまった。涙が止まらないペトラにリヴァイがそっと肩を貸してくれる。
エレンに申し訳ないと心の中で詫びながらも、ペトラは泣き止むまでの間リヴァイの肩にその身を預けた。

「リヴァイ兵長……エレンを絶対に守りましょう。あの子は本当にいい子ですから。」
「――あぁ、そうだな。」
「あ!リヴァイ兵長、流れ星!」

再び空を見上げた二人の目の前で一際大きな流れ星が駆け抜けていく。
ペトラは胸の前で両手を組み、祈るように目を閉じた。

「何か願い事でもしたのか?」
「はい。私の大好きな人が幸せでありますようにって……」
「他人の幸せがお前の願いなのか?」
「だって好きな人が幸せでいたら自分も幸せになれるじゃないですか。」
「そういうものか……」
「私にとってはそうなんです。そういうリヴァイ兵長は何かお願いしましたか?」
「星に願うことなど何もない。俺は実力で叶えてみせる。」
「ふふふ――リヴァイ兵長らしいです。」

ペトラはそう言いながらもう少しだけ……としばしの間、リヴァイと共に星降る夜を過ごした。
明日から向かう壁外調査でペトラたちリヴァイ班の使命はエレンを守り切ること。
絶対にエレンを安易に巨人化などさせない。この命に代えても――
それがペトラの望んだ希望に繋がるのであれば後悔などしない。
ペトラは胸に当てた手を強く握りしめ、覚悟を決める。そして隣にいるリヴァイに柔らかく微笑んだ。


   *           *             *


泣き止まない涙のようにいつまでも降り続く雨。
リヴァイは雨を凌ぐことなく、夜の暗闇の中ずぶ濡れのまま立ち尽くしていた。
目の前には真新しい墓標が立ち並んでいる。その一つには「ペトラ・ラル」の名前が刻まれていた。
しかし、この下にはペトラの遺体は眠っていない。
あの時……巨人から逃げ切るために、犠牲にした兵士たちの遺体の中にペトラの姿があったのだ。

『お二人には……人間らしい気持ちがないのですか!?』

遺体の回収を直訴する調査兵に対し、非情な判断を下すエルヴィンとリヴァイに対し突きつけられた悲痛の叫び。
リヴァイは持ち帰ったペトラのエンブレムを握りしめる。

「ペトラ、いままでありがとう。お前は俺にとって最高の部下……いや、仲間だった。」

ペトラの気持ちには以前から薄々感づいていながらも応えることはできなかった。
それでもいいのだとペトラは言い、自分についてきてくれた。

―――私の大好きな人がいつまでも幸せでいられますように……

謝罪の言葉は言うつもりはない。
ペトラは役目を果たしエレンを守って死んでいった。
いまのリヴァイがしてやれることはペトラの意思を継ぎ、希望を繋げることだろう。

「お前の願いを叶えるためにも、俺はあのクソガキを守りきってみせる。そして巨人を全滅させ、お前が見たかった外の世界へ連れていってやる。」

リヴァイは新たな決意を胸に刻みながら、ペトラのエンブレムを懐にしまった。

「リヴァイ兵長……」

振り向くとリヴァイと同じくずぶ濡れた格好のエレンが立ちつくしていた。
エレンはリヴァイ班が全滅したのは自分の選択が間違っていたからだといまだに後悔し続けている。
リヴァイはふぅっと長い溜息をつきながら、エレンの額に拳をコツンと当てた。

「いつまでも落ち込んだ顔してここに来るんじゃねぇよ。あいつらはお前のことを恨んでなどいない。」
「でも―――!オレがあのとき巨人になって戦いさえすれば……少なくとも皆は……!」
「ペトラはお前が人間であり続けることを望んでいた。」
「――――!」
「だからあのとき巨人になろうとしたお前を必死に止めたんだ。そしてお前はペトラたちに応えた。それで十分だ。」
「リヴァイ兵長………」
「あいつらに申し訳ないと思うなら、もっと自分をコントロールできるように努力しろ。それが巨人を全滅させるというあいつらの望みを叶える一番の近道となるはずだ。」
「はい―――!」

さっきまで死んでいたようになっていたエレンの瞳がギラリと強い光が宿る。
そうだ……リヴァイはエレンの曇りのない、真っ直ぐなところにいつの間にか惹かれていたのだということを思い出した。

――大丈夫だペトラ……お前の願いは俺が絶対に敵えてやる。だから少しの間、そこで見守っていてくれ。

いつの間にか雨は止み、雲の隙間から綺麗な星々が顔を覗かせる。
夜空を見上げると、大きな流れ星がリヴァイとエレンの頭上を駆け抜けていった。



☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆☆

後書き

リヴァペトと言っておきながらリヴァエレ前提という……
ペトラがエレンのお姉さん的存在で、私の作品には今後もよく出てくると
思います。
ノーマルカップリングだったらリヴァペト一押しですね。絶対……



テーマ : 二次創作:小説 - ジャンル : 小説・文学

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