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C86無料配布本「ウンメイノヒト」(リヴァエレ)サンプル


8/17のコミックマーケット2日目 西た-15a MikenecoCafe
リヴァエレオメガバースパロを無料配布します。オメガバースの説明は→コチラ
無料配布ですがR18本となりますので、ご注意ください。

ウンメイノヒト
A5/20P/R18

【あらすじ】
一握りのエリートが支配する中央政府によって身分の差別、統括管理された世界で暮らす人間たち。両親を事故で失ったエレンは幼馴染たちに助けられてきたが、遺伝子検査でオメガ性と判断され保護と称した施設に収容されてしまう、しかもエレンはオメガ性として重大な遺伝子の欠陥があるとされ、監視官たちに一生ここから出ることができないと酷い扱いを受けていた。
そんなある日、エルヴィンの勧めで番を探しに施設にやってきたリヴァイとの出会いがエレンの運命を大きく変える。長編の序章です。


※サンプルは途中部分です。




あれから一週間が経過した。
エレンがいまいるのは四方を高い壁に囲まれた、収容施設と言われる場所。そこにはエレンと同じオメガ性の人間たちが集団生活をしていた。これまでの生活から隔離されたエレンは学校に戻ることも、ミカサやアルミンに再会することも許されることはなかった。
収容施設と言ってはいるが、中には学校もあって勉強もできる。部屋も二人部屋を割り当てられる上、食事も提供されるので人並みの生活を送れるように見える。
だがどこにいても終始カメラで監視され。もちろん壁の外に出ることは一切許されない。
それはまるで翼をもがれて空を飛べない鳥と同じだ。

「いいかお前たち!今日は月に一度の特別な日だ!」

朝食時、監視官が皆に聞こえるように大声で伝える。意味がわからないオレがきょとんした顔をしていると、同室であるジャンが小声で話かけてきた。

「アルファ性のエリート様たちがやってくるんだ。俺たちを物色しにな。」
「物色……?どういうことだよ。」
「何だよお前、何にも知らないんだな。」

するとジャンは周りを気にしてから、エレンだけに聞こえるようそっと耳打ちしてきた。

「より優れたアルファ性を生み出すにはオメガ性との間にできる子どもの方が確率が高いとされている。だから俺たちのような奴らは一箇所に集められて、アルファ性に選ばれるのを待つってことなんだよ。」

そこにオメガ性の意思など到底あるわけがない。エレンは愕然とした。

「それって……すべてのオメガ性はそうなのか……?」
「あぁ。俺たちオメガ性は優秀なアルファ性を生み出すための人形にしか過ぎない。誰を好きになろうともその相手とは一生添い遂げることができないのがほとんどだ。」

エレンの母親は父親と出会って、エレンを生んで本当に幸せそうだった。それももしかしたらエレンを不安にさせないために偽りの幸せだったのか?
エレンは足元が崩れ去っていくような思いと同時に、何事にもアルファ性至上主義であるこの世界の仕組みに怒りが込み上げてきた。
昼すぎになって壁の門が仰々しく開けられると、高級車が何台も敷地に入ってきた。オメガ性は講堂に集まるよう指示され、エレンも気乗りしないまま向かおうとしたところを一人の監視官が立ちはだかる。エレンはムっとしながら男を見上げた。

「――――何ですか?」
「貴様は行っても無駄だ。欠陥品だからな。」
「けっ……なんだと!」

反射的に殴りかかろうとしたエレンの右手首をいともあっさり掴まれてしまう。強い力で捻じられ、激しい痛みがエレンを襲った。

「お前、ガキを生めないんだろ?欠陥品そのものじゃねぇか。」
「ふ、ざけるな!放せよっ!」

エレンは隙を縫って腕を振りほどき、監視官の鳩尾へと頭突きをした。監視官は隙を突かれ、頭突きをまともに食らった。

「てめぇ……調子に乗りやがって!」

監視官は腰に差していた警棒を手にし、容赦なくエレンへ殴りかかる。周囲は被害が飛び火するのを恐れてただ見守るのみ。他の監視官がようやく止めに入ったとき、エレンはボロボロになっていた。

「おい、こんなの上に見つかるとヤバイぞ。こいつをどこかに閉じ込めておけ。」

仲間の監視官に促され、エレンの体はすぐ近くにあった倉庫へ放りこまれて手錠をかけられた。
さっきから意識が行ったり来たりしている。ゆるりと手を動かし、体中を調べたがどうやら骨までは折れてはいないようだったのでエレンはほっと一安心した。

『くそっ、あいつ少しは手加減しろよな……』

倉庫といえど、窓があるので部屋の明かりがついていなくとも外から差し込む光で周囲の状況を理解することができる。エレンはゆっくりと体を起こし、ほぅっと息をつく。両手に手錠をかけられただけなので動き回ることができる。しかも慌てていたのか、倉庫のドアに鍵まではかけていかなかったようで、エレンは意外にすんなりと抜け出すことができた。皆講堂に赴いているらしく人の気配はまったくない。
施設の外に出ると、心地よい風がエレンを迎えてくれる。両手の自由が効かないのを多少不便に感じながら、エレンは中庭にある木陰のベンチに座った。空は雲一つなく青く澄み渡っていた。

「ミカサとアルミン……心配してるだろうな……」

世話好きな幼馴染の顔を思い出すと切なくなってしまう。
子どもを生めない欠陥品のオメガ性である自分はこのまま一生ここに暮らし続けるのだろうか。それとも実験の材料にされてしまうのだろうか。いずれにしてもエレンの人生はこの先真っ暗といってもいい。

――エレンも大きくなったら出会えるわ、必ず――エレンにとって一番大事な人が……


エレンの脳裏に母親の言葉とそのときの笑顔が思い出される。そんな母親の幸せも長くは続かなかった。やるせない思いが込み上げてきて、エレンがギリっと切れそうなほどに唇を噛みしめていると、背後でザッという足音が聞こえる。監視官に見つかったと慌てたエレンは身がまえながら振り向いた。

「―――ったく、誰もいねぇと思って来てみたら……」

スーツをきっちりと着こなした見かけ二十代後半から三十代くらいの黒髪の男が溜息をつく。見たこともない顔なのでどうやら施設の人間ではなさそうだ。

「……誰?」
「オメガ性の奴らは皆講堂にいるはずだろ?てめぇはオメガ性じゃねぇのか?」
「――オレは欠陥品らしいし、行っても無駄なんだと。」

自分のことを欠陥品などと言うのは気分のいいものではない。胸がつかえる思いをしながらもエレンは言い放ち、男から顔を背けた。

「……欠陥品?……そうか、てめぇがあいつの言ってた奴か。」
「あいつ………?」

男がニヤリとほくそ笑む。背筋に悪寒が走るのを感じたエレンがもう一度振り向くと、男の背後から金髪の男がやってきた。

「リヴァイ、探したぞ。何も言わずに途中で抜け出すのはやめてくれないか?」
「エルヴィン、俺はお前と違って世界に貢献しようなんざこれっぽっちも思ってねぇからな。優秀な子孫を残すなんて興味ねぇんだよ。」

リヴァイ、と言われる黒髪の男は腕を組みながらエルヴィンと呼ばれる金髪の男に汚い言葉を吐き捨てた。背格好からして二人ともアルファ性のエリートなんだろう。エレンはただひたすらに二人の会話を聞いていた。

「いまのは聞かなかったことにしといてあげるよ、リヴァイ。だが君もそろそろ番を持たないとそろそろ反逆罪で逮捕されてしまうだろ?そうなると私は困るんだがな。」

エルヴィンは聞き分けのない子どもを説得するように、やれやれと苦笑した。見る限りエルヴィンはリヴァイの付き添いでここにやってきたようだ。当のリヴァイはアルファ性ながら番をもつことに嫌悪感を感じているようだった。
そんな二人のやりとりをボーっと眺めていたエレンとリヴァイの視線が合う。リヴァイはフッと口元を綻ばせた。

「あぁ……だからエルヴィン、俺はこいつにする。」
「え………?」

リヴァイはエレンが子どもを生めない欠陥品だと知っているはず。それなのに急に指名され、エレンは理解するのに時間がかかった。

「この子を…?君はオメガ性なのか?名前は?」
「エレン・イェーガーです。でも、オレは………!」
「貴様――!なぜここにいるっ!」

監視官の怒号が響き渡る。血相を変えて中庭へズンズンと乗り込んできたが、エルヴィンとリヴァイがいることに気づき、低姿勢にペコペコとし始めた。

「なせこの子はここにいるのだ?」
「こいつはオメガ性ながら子どもを産めない体らしいんです。ですから待機を命じていたんですが……」

監視官の話を聞き、エルヴィンは目を大きく見開き、リヴァイを見る。リヴァイはエレンの腕を強く引っ張り、自分の方へと引き寄せた。

「俺はこいつにする。」
「で、ですが――!子どもを生めないオメガ性など何の役にも立たないのでは?」

監視官が恐る恐る窺うが、リヴァイは刺すような視線で睨み返した。

「まだ初期検査の段階での結果だろう?こいつが役に立たないかどうかなどまだわからねぇだろうが。それに、遺伝子研究しているハンジ・ゾエは俺とはくされ縁だ。」

リヴァイに言い返され、監視官は言葉が詰まる。横にいたエルヴィンはクスっと声を立てて笑った。

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